「秋入学」騒動

秋入学

東京大学が秋入学を検討していると言いだしたとたんに、あちこちの大学で追随する動きがあり、また、産業界でも、それを歓迎するとの意見表明があったことは皆さんもご承知のとおりです。

そして、今週、東大は秋入学導入を見送り、4学期制への移行を検討するとの発表をしました。

すると、秋入学を検討していた各大学からは、東大に振り回された、と苦情が出たようです。

いやいや、情けない限りですね。

そもそも、東大が秋入学を検討したのは、欧米等の大学との学生の交流をしやすくできるから、というのが最大の要素だったのですが、では、高校との接続をどうするのか、「ギャップ・イヤー」なる策も提案されていました。

「振り回される」必要はない

ここで問題にしたいのは、東大が秋入学を検討したと言っては、それに追随し、やめたと言っては、振り回されたと文句を言う、その他の大学の姿勢です。

東大は東大で、独自の方法を取れば宜しい。その他の大学も、それぞれの学期制などを採用すればいいでしょう。べつに、すべて東大に倣う必要など、さらさらありません。

4学期制は、学生も先生もかなり忙しいはずですが、たしかに海外との学生の交流を考えれば、よりフレキシブルで具合が良いことは事実ですから、これは卓見と言えると私も考えます。私も、秋入学論議が始まったときに、このブログで、秋入学にすれば国際化されるというものでもない、と書きました。

より柔軟な学期制にして、なるべくいつでも留学生を受け入れたり、送り出したりできる制度にするのが望ましいのです。

もっとも、事務職員がきわめて多忙になる可能性もありますし、今のスタッフの数では難しくなるときいうこともあり得るでしょうけれど、これも「グローバル化」の一つの過程に必要なことなのだと考えます。