2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

宿舎の課題−いずれ留学生が増えようというときに

留学生宿舎を長年、経営してきた友人から、今日、電話をもらいました。彼が話したのは、まず、JASSOの留学生宿舎はどうなるのだろうか、という心配です。長年、民間で留学生宿舎を経営してきた立場から見れば、JASSOの宿舎は贅沢な宿舎だとは言えるのでしょ…

「クール・ビズ」と「国際化」

昨日からは、台風2号の影響で、雨がひどいところもあり、震災の被災地も心配ですが、そろそろ、ときに蒸し暑くなってくる季節です。この夏は、電力不足が予想され、省エネもさらに徹底しなければということで、「スーパー・クール・ビズ」なるものも登場して…

留学生170人が被災地支援に

このブログに5月14日にご紹介した「震災復興支援日本語学校協議会」は、東京とその近郊の日本語学校16校と地元・仙台の日本語学校2校の留学生計約170人を石巻市の被災地へ派遣しました。東京からの一団は、新宿から夜行バスで昨27日朝、宮城県石巻市に到着し…

「グローバル人材育成推進会議」スタート

政府は昨26日、「第1回グローバル人材育成推進会議」を開催しました。枝野官房長官によれば、この会議は同長官を議長とし、とくに若い人たちを中心に「内向き志向」が強まるなか、また、今回の大震災の影響もふまえて、日本人学生の海外留学を増加させるため…

日本の国際教育交流に「マーケティング」は存在するのか?

人気の『もしドラ』は読んだことがないので、それと関係あるのか、ないのか、想像もつきませんが、日本の留学生受け入れ戦略を見ていると、というか「戦略」というものが各教育機関や政府にも、あまり明確に存在しないような気もしています。したがって、「…

国際交流会館など売却へ

大学に勤める友人から、「JASSOのホームページに、こんなことが載っているけど知っているか?」とメールがありました。彼は、しばらくこの分野を離れていたので、経緯をよく把握していなかったのでしょうけれど、たしかに、留学生30万人計画との整合性を考え…

大阪の元中国人留学生、石巻の大川小学校児童を長期支援へ

「留学生時代、多くの日本の人に助けてもらった。そんな家族のような暖かさを、傷ついた子どもたちに伝え、笑顔を取り戻せる手伝いができたら」と中国人の元留学生たちが支援に立ち上がったとの話が22日に報じられました。産経新聞によると、中国から大阪府…

「震災で留学生減 ビザ簡略・母国語ブログ…官民が勧誘策」

土曜日のブログを書いた後に、ちょうど朝日新聞夕刊の1面が標記タイトルの記事を掲載しました。震災後の学校と法務省の風評被害による留学生激減に対応しようとした様子を伝え、また、カイ日本語スクールの留学生によるブログについても詳しく伝えています…

在外の日本大使館は、「風評被害」に対し、どんな広報をしているのか?

引き続き、海外広報について考えています。例えば、在ベトナム日本大使館のホームページを見てみると、震災関連の広報としては、フロント・ページに次のようなものがあります。 •東日本大震災について •東日本大震災のお見舞いについての谷崎大使謝辞(2011.3.…

留学生受け入れでも、これが出来ないだろうか?

昨日の日本経済新聞によると、観光庁は在日留学生を平泉、松島、箱根、京都などの観光地に派遣し、ツィッターなどで海外に日本の安全性をアピールしてもらうということです。観光産業も「風評被害」を大きく受けいている産業分野ですが、それをするなら、ぜ…

中国若手企業家の80%、子弟の海外留学を計画

世界中に極めて多数の留学生を出している中国ですが、4月末に中国政府が発表した数字では、2010年末までに、留学生としての出国者数は127万人を超え、そのうち95万人が現在も外国の学校に在学しているとのことです。2010年12月発表の米IIEのデータでは、全米…

「留学したいっ!」

昨日、知人経由で、高校生の米国留学の相談を受けました。より正確には、ある私立高校の生徒が米国の短大への留学を希望していて、先生に相談し、先生が私の知人に相談したのですが、要は日本での留学準備講座への申し込み締め切りが翌日に迫っているので、…

留学生就職支援の課題

留学生のための就職支援が脚光を浴びるようになったのは、ほんのこの数年内のことです。経産省が中心になって進めた「アジア人財資金構想」が、外国人の「"高度"人財」を育て、日本の産業界にも貢献する知的労働力として考えるようになったことが大きなきっ…

留学生地域交流の一つの好例 「夢っくす」

地域に住んでいたり地域の大学などに在学していたりする留学生を支援しようという活動は以前からありましたが、助成金がある間は活動しても、それがなくなると、次第にその活動が弱まったり、いつの間にか立ち消えになったりしているケースが目につきます。…

この秋には昨年比7割減も? 留学生の「日本離れ」深刻

各種学校や専門学校など日本語教育関連の教育機関は去る4月15日に「震災復興支援日本語学校協議会」(堀道夫代表世話人)を結成し、5月9日に日本記者クラブで会見を開きました。堀さんによると、日本では首都圏を中心に昨年4月時点で日本語教育機関で約4万3000…

上海で「震災説明会」も悪くはないけれど……。

昨日流れたニュースでは、中央大学の学長が自ら上海に赴いて、中国人留学生と父母等を対象にした説明会を、この15日に開くということです。 中央大学長、中国人留学生と父母らに「震災説明会」15日に上海で http://sankei.jp.msn.com/world/news/110512/chn1…

「フクシマ:惨事を市民のコントロール下に!」の多言語

フランスの反核団体である「Commission de Recherche et d’Information Indépendantes sur la Radioactivité(放射能に関する独立的研究と情報委員会)」が出した「L'appel de Fukushima」のホームページには、今、標題のアピールが掲げられていて広く署名を求…

留学生のインターンシップ

先の「アジア人財資金構想」でも留学生のインターンシップが事業の一つの柱として採用されていました。昨5月10日に愛知県は、留学生のためのインターンシップ・セミナー開催運営業務の委託先を公募しました。つまり役所には、そのノウハウがないということな…

「大東亜共栄圏構想」と「南方特別留学生」(4)

「大東亜共栄圏構想」と「南方特別留学生」について、チラッと見てきました。(3)で書いたように、たいへんな苦労をしたにもかかわらず、あの戦時下の留学生たちのかなりの人たちは、なぜ反日家にもならず、社会で活躍した人が多かったのでしょうか。その理…

「大東亜共栄圏構想」と「南方特別留学生」(3)

「南方特別留学生」については、ネットで検索してみるとお分かりのように、これまでいくつかの書籍、論文、あるいは取材記事の載った雑誌が出ています。その中で、受け入れた当事者が記したものとして、金澤謹著『思い出すことなど』(1973年 財団法人 国際学…

9割強が「今後も日本に残る」−外国人を一時帰国に走らせたものは?

震災後、留学生の全体のほぼ1/3である6万人が日本から出たと伝えられていましたが、NPO法人 国際留学生協会が行ったインターネットによるアンケート調査では、9割強が日本に残ると回答しているということです。調査は無記名回答で、回答数は392件。調査…

「大東亜共栄圏構想」と「南方特別留学生」(2)

「大東亜共栄圏構想」に見るべきものはなかったのかと、ずっと気になってきました。東アジアの新秩序建設のための生存圏をつくる、という発想で、中国大陸を核に、インド、豪州・ニュージーランドで囲まれた圏内での自給体制を構想したわけですが、それと戦…

「大東亜共栄圏構想」と「南方特別留学生」(1)

「大東亜共栄圏」などと聞いて、ギョッとする人もいるでしょうけれど、ちょっとこれを振り返ってみたいと思います。もちろん、近年の「大東亜帝国」といった大学群のことではありません。1938年(昭和13年)に、「東亜新秩序」という言葉が近衞文麿によって使…

「アジア人財資金構想」の事業は終わってしまったけれど。

日本留学がアジアなどの途上国から欧米豪などへの留学に比べて留学生を引きつける魅力に乏しいと言われがちな理由の一つは、海外からは、高等教育機関への入学と、卒業・修了後の就職との関連性が、見出しにくいということも挙げられるかと考えます。その意…

閣僚級官僚の子息は75%が米国永住権を保有−求心力を失う中国への処方は?

5月1日の「レコードチャイナ」は、去る3月にネット掲示板に「中国は女性『輸出』世界最多の国になった」が掲載され、話題となったことを伝えています。http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=509972006年に韓国の男性と結婚した外国人女性のう…

東北の留学生65%が戻らず 全国では13%−文科省調査

5月2日夜遅く流れた共同通信のニュースによると、震災後、4月20日時点で、東北地方の大学の外国人留学生のうち64.9%が帰国したままになるなどして、通学圏内にいないことが文科省の調査で分かったということです。http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011…

専門学校卒業生に在留資格を与える法務省告示改正案(パブリック・コメント)

法務省は、4月25日に、新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策(2010年9月10日閣議決定)http://www.kantei.go.jp/jp/keizaitaisaku2010/ を踏まえて、留学生のために、さらなる就職支援を図るため、「専門士」の称号を与えられた専門学校卒業生が、新た…

相変わらず最大の留学生供給国、前年比24%増−中国

4月末、中国教育部と人力資源・社会保障部は、「2010年末までに、留学生として出国した者の数は127万人を超え、そのうち95万人が現在も外国の学校に在学している」と発表したとのことです。http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0430&f=national_…

国際教育交流担当者の資質とは?

昨日書いたことに関連しています。先日、ある私学の方と久しぶりにお会いして様々な話をしました。かれこれ2年近くお会いしていなかったので、積もる話があり、夜になってしまい、ビールを酌み交わしながら話を続けました。やはり、彼の大学でも職員は定期…

国際交流「出島」論は、まだ生きている?

国際教育交流のスペシャリスト養成は可能か、といった課題は、じつは、私が(財)日本国際教育協会に就職した1970年代半ばにも、JAFSA(国際教育交流協議会) http://www.jafsa.org/(当時は任意団体の「外国人留学生問題研究会」)で、議論が絶えないテーマでした…