中国若手企業家の80%、子弟の海外留学を計画

世界中に極めて多数の留学生を出している中国ですが、4月末に中国政府が発表した数字では、2010年末までに、留学生としての出国者数は127万人を超え、そのうち95万人が現在も外国の学校に在学しているとのことです。

2010年12月発表の米IIEのデータでは、全米の留学生69万1000人中、中国は最多の12万7600人で、前年比30%増でした。

世界的には不況の影が大きく、留学生数が減る国・地域が多い中で、中国の大幅増がいやでも目につきます。

こうした中、この5月14日に胡潤研究院が発表した40歳以下の中国の長者番付に載った中国の企業家の80%が、自分の子どもを海外に留学させることを考えているとの新京報のニュースを5月17日の人民網が伝えています。

それは初めて発表されたもので、「2011年少壮派長者番付」というのだそうです。40歳以下の「少壮派」富豪56人のランク付けを行ったもので、親からの財産を譲り受けた後、さらに富を増やした二代目の富豪「新二代目」を並べています。長者番付の最低条件は資産10億元ということですので、私達には関係ない世界ですが、IT産業・娯楽産業は、少壮派富豪を最も多く出している業界で、15 人がランク・イン。不動産業が13人、製造業が10人です。

新二代目は全員が大学学部卒以上で、約2割は大学院の学歴を持っていて、その半数以上は、主に欧米への海外留学の経験があるということです。

そして、ランク・インした企業家の5人中4人は、自分の子どもを海外に留学させる計画を持っているとうことです。ここにも中国社会では自由主義諸国・地域と同様、高所得者の子どもは教育面でも有利であり、富の再生産が行われるという典型的な図式を読み取ることが出来ます。  

中国若手企業家の80%、子弟の海外留学を計画 (2011.05.17 人民網日本語版) http://j.people.com.cn/94475/7381690.html