「アジア人財資金構想」の事業は終わってしまったけれど。

日本留学がアジアなどの途上国から欧米豪などへの留学に比べて留学生を引きつける魅力に乏しいと言われがちな理由の一つは、海外からは、高等教育機関への入学と、卒業・修了後の就職との関連性が、見出しにくいということも挙げられるかと考えます。

その意味で、2007〜09年度に実施された「アジア人財資金構想」は優れた留学生支援プログラムであったと言えます。http://www.ajinzai-sc.jp/asia.html

もともと優秀で成績の良い留学生に「ビジネス日本語」「日本ビジネス」「インターンシップ」などを教えたり、経験させたりして、最終的には、日本企業への就職のマッチングまでやってしまうという、何と親切なプログラムであったことでしょう。

こうした、「痒いところに手の届く」ような留学生受け入れプログラムは、なかなか出来るものではありませんし、日本留学の魅力を増すものと考えられていました。

しかし、なぜか、これも昨年、事業仕分けの対象となり、中止となってしまいました。

日本は決して文化国家でないと、ときどき、自嘲的に言いたくなることもあるのですが、これについても、私は同様な思いでした。

しかし、政府にお金のないときに嘆いていても始まりません。

もし、政府からの資金援助がなくても、こうしたプログラムを日本語学校・大学・企業が自主的に連携して実施することを考えれば、まったく不可能なことではないとも思うのです。

そのための仕掛けが必要ですね……。