この秋には昨年比7割減も? 留学生の「日本離れ」深刻


各種学校や専門学校など日本語教育関連の教育機関は去る4月15日に「震災復興支援日本語学校協議会」(堀道夫代表世話人)を結成し、5月9日に日本記者クラブで会見を開きました。

堀さんによると、日本では首都圏を中心に昨年4月時点で日本語教育機関で約4万3000人、大学学部・大学院で約10万2000人、各種専門学校で約3万人の計約17万5000人(計420〜430校)の留学生が学んでいるところ、4月入学者予定者の3〜5割が入学辞退や見合わせ、2年目以降の継続学生の1〜3割が退学・休学し、入学手続き期限が迫っている今年10月入学予定者も昨年比7割減と極めて深刻。

留学生の約6割が日本語学校を経由して大学学部や大学院に進学していますが、東北地方には日本語学校が少なく、幸い留学生の生命や校舎への直接的ダメージはなかった。しかし、このままでは政府の30万人留学生受け入れ計画は実現不可能になるし、また、学校経営への影響も大きいと堀さんは訴えています。

留学生が減っている理由は、主に(1)風評被害(原発事故の影響と余震、大きな地震がまた起きるのではとの不安)(2)母国・地域の親による渡日見合わせの説得(3)未体験の大震災に遭遇したことによるトラウマ(心理的なダメージ)―の3点がある、と堀さんは報告しました。

日本語学校などでは例年4月の入学・授業を1か月以上遅らせたり、学校のホームページや母国などへの電話などを通して呼び戻しに必死の努力を続けているが、ある日本語学校では、5月の連休明けのオリエンテーションに出席したのは全学生37人のうち19人だったとのこと。

日本政府・入国管理局は10月生の在留資格認定書の申請締め切り期限(5月末)を6月20日まで延期するなどの例外措置を講じているが、焼け石に水だとも。

同協議会では「海外では誤った震災・原発事故情報が流されていて日本留学へ留学を妨げている」とし、引き続き正しく正確な震災・原発情報の発信に努力するほか、学生が留学しやすい環境づくに積極的に取り組むことを決定。

政府・与党に対し、すでに学費などへの消費税の時限的免除を要請し、また、留学生に呼びかけて被災地に学生ボランティアを派遣したり、被災者への激励・慰問文を募集したりするなど、目に見える活動を展開していく考えだということです。

若干の時間がかかったとはいえ、日本語教育機関が、ある程度、足並みをそろえて震災後の「風評被害」への対応を始めたことは、日本語教育界の今後のさらなる展開が期待出来るのではないかと考えます。

入学辞退・見合わせ3〜5割、留学生の「日本離れ」深刻―日本語学校、「全国協議会」結成し呼び戻しに懸命
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