「イオン・スカラシップ」とアジア戦略の展開

イオン・グループには「1%クラブ」という1989年から継続している活動があります。これは、イオン・グループ各社が拠出した税引前利益の1%を使って、「環境保全」「国際的な文化・人材交流、人材育成」「地域の文化・社会の振興」などのさまざまな活動をするものです。*1

その中には、「イオン・スカラシップ」という私費留学生向けの奨学金があり、日本留学中の中国(香港含む)、マレーシア、タイ、台湾、インドネシア、フィリピン、ベトナムの学生から3人に支給してきました。*2

これまで、同奨学金として、日本国内14大学の私費留学生200人、中国国内6大学1074人、タイ国内2大学8人、計1282人の学生に奨学金を出してきているのです。

そして、同グループが今年スタートした3か年計画のアジア戦略の一環として、ベトナムでは、今回、ベトナム国家大学ホーチミン市人文社会科学大学と、「人材の採用」、「小売の発展をテーマとした共同研究」、「インターンシップの受け入れ」などの取り組みを含めたパートナーシップを締結し、ホーチミン市内の2大学計60人の学生に奨学金を支給して、今後はハノイの大学でも実施していく予定とのことです。

また、同グループは、今後、中国、マレーシア、タイなどの大学と同様の取り組みを拡大して行く予定ということです。

こうした取り組みは、先月、発表されたように、千葉市の本社社員の外国人比率を2020年までに5割にし、2020年までに現在3%にとどまっている本社社員の外国人比率を5割に引き上げることや、海外現地法人との人事交流も進めて、アジア展開を加速するための戦力化を急ぐことと直結しています。

同グループは、アジアでの売上高と営業利益の比率を数%から5割に拡大する構想を掲げていて、33万人の従業員の人材面での改革を本格化する計画の一環とも言えます。*3

*1:イオン1%クラブ http://www.aeon.info/1p/

*2:2011年度「イオン・スカラシップ」奨学生募集要項 http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/education/international/students2/scholarship/documents/2010/20110311eon_boshu.pdf

*3:「イオン、本社社員の5割を外国人に アジア展開に戦力集める」(2011年9月21日 日本経済新聞 有料会員サイト)