大学での授業の難しさ

2年前から放送大学で授業を担当しています。

と言っても、講義はテレビで見られるわけではなく、放送大学で言うところの「面接授業」という、いわばスクーリングの8コマの集中講義です。

今年の分は、もう終わりましたが、3年目だったわけです。しかし、同じ講義のテーマでも、まさか毎年同じ内容というわけにもいかず、その時々に注目すべきことやら、目新しいことやらも交えて講義します。しかし、面白い内容ばかりとは限らず、やや退屈な講義を半コマくらいは続けざるを得ないこともあります。もちろん、テレビのバラエティー番組ではないので、面白おかしい話が続く必要もないわけですが、どうも学生が退屈しないだろうかと気になってしまうこともあります。

話が脱線して本題からそれてしまうこともあり、むしろその方が学生にはウケることもあるのですが、いやいや、やはり大学の講義ですので、ウケばかり狙っていてはなりません。

学生は社会人が大部分で、私などよりもはるかに意義のある豊かな社会経験を積んだ方々もいるわけですし、親が授業料を払ってくれたので、しょうがないから大学に通っている、みたいな学生も中にはいる一般の大学の学生とは違って、自分で授業料を払っている人が大部分ですから、たいへんに熱心な学生が多いのです。学部は卒業していて大学院を目指している人もいますし、現役の大学教授が受講していたこともあります。

授業のテーマは「国際教育交流と文化理解」というものなのですが、そのせいで、日本語教師日本語教師を目指している受講者も毎回いるので、なるべくそれに合っている内容も交えるようにもしています。

しかし、すべての学生が満足するような講義をするというのは至難の業で、これはプロの先生にお任せするしかありません。

長年、大学で講義している本物の教員の皆さんを、本当に尊敬してしまいます。

教えるのは難しいです。

来年は、今年よりも、もっと良い授業にしたいと思っています。