中国人留学生は若年化しているのか?

12月15日の中国の人民網が、華字紙「日本新華僑報」の記事として伝えた「若年化する中国人留学生 心理ケアが急務」を読み、いささか首をかしげてしまいました。*1

もちろん、戦後、中国から日本に留学生が来るようになった1978年の日中平和友好条約締結後しばらくは、かなり年齢的に高い人も来ていましたが、今日では、まず、通常は、日本語学校や学部への留学生は、普通のコースを歩んで来れば、20歳前後には来日しているはずです。

ちなみに、中国のよく知られた人物の日本留学時の年齢を見ると、周恩来25歳、蒋介石20歳、郭沫若22歳、魯迅22歳などですから、今日とそう大きく変わるものではないと言えます。

問題は、「若年化」ではなく、その育った環境にあるのではないかと考えられます。今日の豊かな時代に、過保護のうちに育った一人っ子が、いきなり海外に一人で来れば、たいへんな困難に遭遇することは想像に難くありません。これは、日本だけでなく、中国人留学生が多い米国でも同様の現象が起きているとも米国の大学の友人などから聞くことです。

さて、こうした留学生が多い場合、どうすればいいのか。それは、とりたてて中国人留学生の問題とは言えず、それどころか、日本人学生についても同様のことが言える可能性は高いと思われます。

今日、日本の教育機関全体として、こうした未成熟な学生への対応策を必要としているのではないでしょうか。

*1:若年化する中国人留学生 心理ケアが急務 (2011年12月15日 人民網日本語版) http://j.people.com.cn/94475/7677384.html