では、日本留学エージェントの質の向上をどう図るのか?

昨日、J-CROSS*1の認証式について書きましたが、今日、留学エージェントは許認可制でも登録制でもないので、実態はよく分からず、日本全国で、その数は300とも400とも言われます。

今回、中央官庁の支援のもとに業界2団体と消費者団体が自律的に質の向上を図ろうという趣旨で、独立した団体を立ち上げて始めたものです。

私は、長年、日本人の海外留学にも、外国人の日本留学にも関わってきたので、こうなると、では、海外から日本への留学エージェントはどうか、ということが気になります。先週のブログ*2と、それを受けたfacebook*3での4月16〜18日の議論にも書いたように、海外の日本留学エージェントはあまりにも未成熟な点が多いのです。

もちろん、ほとんどは海外に拠点のある諸外国・地域のエージェントですから、日本からコントロールすることは極めて難しいというか、ほとんど不可能といえます。

ただし、もし、各国・地域のエージェント組織が連携できれば、それは可能になるはずです。世界的な留学エージェントの組織としてはFELCA(The Federation of Education and Language Consultant Associations)*4があり、その活動の活発化が一つには期待されるところです。前提は、それぞれの国・地域にエージェントの業界団体があり、国や自治体が、あるいは、業界が自律的にエージェントをコントロールできるということですが。

そして、日本国内的には、どうすべきなのか。

まず、海外のエージェントを最も活用している日本語学校が、エージェント利用に関する一定のガイドラインを設けて遵守することから始めなければならないのではないでしょうか。

しかし、そうは言っても、(財)日本語教育振興協会によれば、今年度4月期の日本語学校への留学生のビザの交付件数は10,450件で、昨年を3,000件近く下回っている状況なのです。質の良いエージェントの活用どころか、倒産の危機に直面している学校もあるのではないかと想像します。

……どうも、すべてが後手後手に回っているようですが、しかし、できることから手を付けていくしかないとも思います。ちょうど、日本では、海外留学エージェントの質の担保と消費者保護の趣旨で、J-CROSSが活動を始めたように。