「ハノイ・ソフトウェア・テクノロジー・パーク」が出来る。


たまたまタイミング良くハノイの郊外に「ハノイ・ソフトウェア・テクノロジー・パーク」の地鎮祭があるからと誘われて行ってきました。

車で都心から30〜40分のハノイ市の北西部の工場などが散在する平坦な土地に位置します。ハノイは漢字では「河内」と書くように8世紀くらいから紅河デルタ上に発達した街なので、一帯は平坦ですが、土地は軟弱なもので高層ビルを建てるには砂地の50〜80m下の岩盤にまでパイルを何本も打ち込む必要があるとのことです。

この3千500万ドルのハイテク・パーク・プロジェクトを受注したのは、元ハノイ市長が会長の「株式会社ハネル」というディベロッパーで、設計はベトナムで先進的な建築物の設計で実績のある建築家の藤江通昌氏のESPAD環境建築研究所と、多摩ニュータウン東京ディズニーランド、最近では羽田空港国際線ターミナルなどの設計で知られる株式会社梓設計。

31万2千平米の土地には、IT研究施設、大学、ホテル、住宅、公園などが予定され、1万5千人の雇用の創出が期待されています。

概観すると、世界のどこにでも計画されてきたハイテク・パークです。

地鎮祭は、2時間かけてそれぞれの関係者が挨拶をすることで終わりました。日本の谷崎泰明駐越大使も挨拶しましたが、震災に対するベトナムからの支援へのお礼に時間を割いて丁寧に挨拶していました。

こうしたインフラの整備は、じつは資金さえあれば、比較的容易に出来るので、世界のどこの途上国でもこうした施設を造り、それで、先進国の仲間入りをしたかのような錯覚をしています。

しかし、肝心なのは、「ヒト」です。こうした先端的研究と政策の基礎を的確に進めていくためには、優れた先行きを見通す慧眼と、優れた人財の育成、加えて、莫大な情報量から進むべき方向を読み、示すことが出来るリーダーシップです。

ベトナムに、それを期待したいです。そして、人財育成には日本も協力出来るのではないかと考えます。