震災・原発事故への海外の反応

まず、海外のテレビ番組をよく見ている私の友人Yさんの今月初旬のメールからご紹介しましょう。

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毎日の、CNN、BBCを見て、聞いて、あきれかえっています。局を代表するアンカーや、人気ある女性キャスターの無意識に話すセリフの数々。

「太平洋にそんなに多くの汚染水を注いだら、サンタモニカで泳げなくなるのか」

「鯨や、ドルフィンは大丈夫なのか」

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たしかにこの種の井戸端会議的な議論は初期には目立ちました。

また、当然のこととして日本の近隣諸国での反応も大きかったのです。

3月25日には、東京から中国の無錫に航空機で到着した日本人2人から、「基準値を大幅に超える」放射能が検出されたとして、医師の手当てを受けさせた、という報道がありました。 (ロイター http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20255520110325

4月7日には、韓国では、放射性物質を含む雨が降ることを恐れて、ソウル近郊・京畿道で幼稚園と小、中学校の計126校が臨時休園・休校したことが報じられました。 (読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110420-OYT1T00496.htm

4月20日の読売新聞の報道では、震災と原発事故の影響で、帰国を早めたり、訪日を取りやめるなどした留学生が、留学生の多い71大学だけで計約4,330人に上るとのことです。 (http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110420-OYT1T00496.htm) こうした帰国者のかなりの部分は、自国の家族の心配が大きく、とりあえず帰らざるを得なかったと聞きます。

ある日本語学校では、韓国の留学生の多くは、親が留学資金を出している関係上、親に帰って来いと言われると帰るしかなかったようだ、と話してくれました。また、「世界地図で見ると福島と東京は2センチくらいしかないから、東京のすぐ隣で原発事故が起きていると思われてしまう」と言う人もいます。事実、原発事故の初期には、福島第一原発福島市の位置を混同しているドイツの報道もあったようです。

このように震災というより原発事故への海外の反応が、どうしても大きくなってしまうことは、ある意味、当然のことなのかも知れません。

では、こうした反応に対して、日本はどのように的確な情報を海外に発信しているのでしょうか。(続く)