ASEAN親善キャラバン、被災地へ
ASEANのスリン・ピッツワン事務局長と、2004年のスマトラ沖地震・津波の被災者、ASEAN各国のアーティスト、日本で学ぶ各国の留学生など約70人が「ASEAN親善キャラバン」として、今日2日から5日まで、震災の被災地を訪れてボランティア活動や演奏を行います。金銭や物資の支援だけでなく、「心のきずなを大切にしたい」として、ASEAN事務局が各国政府や企業に呼びかけて実現したということです。
このキャラバンは4月にジャカルタで開催した日・ASEAN外相会議での議論を受けて企画されたとのことで、津波で家族を亡くしたアチェやタイのプーケットの被災者も「思いを分かち合いたい」として参加しています。
今夜、羽田に到着し、明日は宮城県の多賀城市などを視察、4日には石巻市の避難所を訪問し、各国料理の炊き出し、泥や瓦礫の撤去作業、歌の演奏を行うほか、地元のFMラジオ局にスリン事務総長やアチェの被災者らたちが出演してメッセージを送る予定とのことです。
タイ国際航空とエア・アジアが飛行機の席を提供し、日本財団が日本での宿泊場所や移動などを支援するとのこと。
去る5月31日のASEAN事務局での記者会見でスリン事務総長は「6億人のASEANの人々と1億3000万人の日本の人々のきずなをいかに結びつけることが出来るかを議論し、キャラバンの結成が決まった。アジアの発展の基礎には日本の支援がある。今こそ感謝と連帯の気持ちを示すべきときだ」と強調したということです。
山田滝雄ASEAN担当大使は、復興へ向けて大切なことは「一人ではないと知ること」と述べ、ASEANが示した連帯と「ハティ・ク・ハティ(心と心=Heart to Heart=福田赳夫元首相の提唱したASEANとの連帯を表す言葉)」の関係に謝意を示したそうです。
東日本大震災:ASEAN親善キャラバン出発−インドネシア(2011年6月1日 毎日新聞 東京朝刊) http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110601ddm041040102000c.html