日本語教育と世界の言語教育の基準はどうなっているのか

(財)日本語教育振興協会日本語学校の審査・証明事業が昨年5月の事業仕分けで「廃止」とされ、たまたま震災と原発事故が起きたための一時的留学生減は別としても、中長期的に見れば、今後、日本語学校の新設の認定は、いったい、どうなってしまうのだろうとの深刻な懸念が存在し続けています。

日本語学校は、その拠って立つ基盤が異なる教育機関が集まっているので、一律に論じるのがなかなか難しいことは確かです。専修学校各種学校、あるいは、財団法人の日本語学校もありますし、株式会社や私塾的な学校も多数あるのです。あるいは、大学の別科と呼ばれる日本語教育機関も日本語学校の範疇に含まれることもあるかも知れません。

これらの多様な形態の日本語学校を、十把ひとからげで処理してしまうことは至難の業です。

あるいは、教育機関に関する法律を改正して「日本語学校」というカテゴリーを作ってしまうほうが、いっそのこと、すっきりするのかな、とも考えます。

では、海外ではどうなのでしょうか。

英語圏、中国語圏、フランス語圏、ドイツ語圏等々の語学教育と学校について、各国のその政策から、法律、現実の管理運営まで、きちんと調べたデータというものは、果たしてあるのでしょうか。

そして、それを日本の関連する役所や日本語学校自体が、正しく、また客観的に把握できているのでしょうか。

もちろん、ISO 9001なども一つの基準とした活用できると思いますが、水準の向上のために国際的なスタンダードに沿った組織管理・運営を日本語教育分野に持ち込もうとするのなら、こうしたことも関係省庁や日本語教育界はきちんと調査し、理解しておかなければ、この分野で日本は井の中の蛙のままになってしまう恐れがあるように思うのです。

そのための世界の語学教育の現状把握を進めなければならないと考えます。