渡日前奨学金ノススメ − ロータリー米山記念奨学金

海外から日本の大学などで学ぶ留学生の奨学金を見ると、日本政府(文科省)奨学金などの公的奨学金を除くと、民間の奨学金では、日本に来る前に奨学金をもらえることが決まるものは、近年、多少なりとも増えてきた感じでしょうか。JASSOの資料を見ると、いずれにしても、多くは限られた人数と対象国・地域、分野などであることが分かります。*1

しかし、ここに来て、(財)ロータリー米山記念奨学会が、こうした日本留学を予定している海外の留学生のための奨学金の支給を開始することを決めました。来年度向けは、まだ試行なので支給は34名分ですが、これは事と次第によっては素晴らしいことになる気がします。*2

と言うのは、この奨学財団は、全国で年間500〜600人に奨学金を支給している巨大な財団だからです。

すべての奨学金を海外からの留学生に来日前に出すように切り替えるというわけにはいかないのかも知れませんが、日本の大学や大学院に入学できる力を持ちながら、経済的な不安で諦めて、渡航前に入学と奨学金の受給が決まる他の国に留学するケースを、これまで何度も耳にしてきました。

渡日前の奨学生の決定に日本側で躊躇があった理由は、たぶん、直接、顔を見て選考したいという気持ちが強かったからでしょう。これは、日本の大学も同様ですから、渡日前に入学が決まる大学も、まだ少ないのです。*3

こうした条件が重なり、障害となって、より優秀な留学生が日本に来ない原因になっているという指摘もあったのですが、なかなか改善されないままでした。「日本にとりあえず来られた人は、何とかなるのだから、それ以外の人に、もっと奨学金を出せないものか」と言う人もいます。

この「海外応募者対象ロータリー米山記念奨学金」の支給人数が増えてくれば、かなりのインパクトを日本留学の形態に与える可能性があります。

したがって、留学生の渡日前に入学許可を出す大学も、さらに増えてほしいものです。

同財団の果敢なチャレンジに喝采を送りたいです。


● 明16日から21日まで、ベトナムに出張のため、必ずしも毎日、ブログを更新できないかも知れませんが、悪しからずご了承ください m(__)m