「国際交流」という切り口でまとめたらどうか?

以前から「省庁縦割り」で効率が悪いと言われる分野は多いのですが、国際教育交流も、その最たるものの一つでしょう。

中央官庁は、長い歴史と経緯があって今の形になっているわけですが、国際教育交流に関して見ると、文科省文化庁、外務省、経産省国交省法務省…等々といった役所が、じつはすべて関わっているのです。防衛省も関係ないとは言えませんが、それは、とりあえず置いておくとしても、これだけ多くの中央官庁が関わっている分野で、連携はきわめて弱く、ものごとが進んできているわけですから、非効率であることのほうが当たり前とも思えます。

もちろん、地域における多民族化や多文化化に伴う課題まで含めるとなると総務省地方自治体も関わってきます。

前にも書いたとおり、日本語教育ひとつ取っても、海から外は外務省・国際交流基金、日本国内は文科省文化庁、などと言っているので、総合的な文化戦略を進める欧州等の先進諸国や中国、韓国にも負けてしまっているわけです。

この状態では、日本語教育も含めた国際教育交流も文化戦略も、日本のPRも、ちっとも上手くいかないことは目に見えていますし、現に、これに起因した弊害がすでに数多く指摘されているのも事実です。

その意味で、いっそ、役所の国際交流をひとまとめにしてしまう案はどうでしょうか。これまでも、こうした意見がなかったわけではないのですが、役所レベルで考えている限り、他の省庁の所管事項には言及しないのが原則ですから、従来の縦割りの枠内でしか対応策や改善案が出てこないわけです。

したがって、政治的判断で、その効率化を図るしかないと考えます。

これは、与野党関係なく、超党派で議論してバッサリと改革案を出して実行する他はないでしょうけれど、今、そうした検討をし、英断を下せる余裕があるのかどうかが心配です。しかし、手遅れにならないうちに(もう、かなり手遅れ気味ではあるのですが)、実行に移さないと、10年後には大後悔することでしょう。

あえて100年とは言いませんが、せめて30年先を読んだ判断をするのが国をリードする政治家だと思うのですが……。