やはり「韓流」がアジアで健闘

7月5日に発表になった博報堂Global HABIT調査「アジア10都市における日・韓・欧米コンテンツ受容性比較」によると、日頃、アジアで感じていることが如実に数字となって表れています。

同調査によると、要は次のとおりです。

  • 「マンガ・アニメ」は日本、「ドラマ」は韓国と欧米、「映画」と「音楽」は欧米。 日本の「メイク・ファッション」は台北、香港で圧倒的な影響力。

このブログでも、たびたび触れているように、バンコクホーチミンなどでは韓国コンテンツが日本コンテンツよりも強い傾向が見られ、「ドラマ」、「音楽」、「メイク・ファッション」など影響力が多層化していることが分かります。

少なくとも過去20年間ほどは、「マンガ・アニメ」、「ドラマ」、「音楽」、「メイク・ファッション」といった日本コンテンツはASEAN諸国を含めたアジア各国で強い影響力を持っていましたが、現在は韓国コンテンツに押されている状況にあることが分かりました。

惜しむらくは、年齢別の調査結果も分かると、より若い層の傾向を知ることが出来るのですが、少なくともウェブの情報では、そこまで読み取れません。10年後を予測するためには、20歳未満の若年層の傾向を知ることが大切だからです。

いずれにせよ、同報告にはグラフも入っていて分かりやすいので、ご覧になってみてください。*1

台北での日本のコンテンツ受容度が高いのと、今回の震災への台湾からの支援額が160億円を超えたという相関も、他都市との比較で、さらに調べると、ソフト・パワーの証明として意味のある調査になるかも知れません。

アジアでの日本の国際放送のお粗末さについても、ここで何度か嘆いていますが、じつはそれに業を煮やしたわけでもないでしょうけれど、某民放テレビがアジアに進出を決めていますし、他局もその可能性を探り始めています。国レベルで出来なければ民間でやってしまおう、という気概のある人たちは、マスメディア分野にもいることが分かり、心強く思います。

ただし、あまりくだらない番組はどうかと思いますが、私には海外にいても、とうてい観る気が起きない「NHKワールド」などよりも、より視聴者の目線に近く立ったコンテンツの放映は歓迎されるに違いありませんし、より日本への関心を高めることとなるでしょう。

*1:「アジア10都市における日・韓・欧米コンテンツ受容性比較」http://www.hakuhodo.co.jp/pdf/2011/20110705.pdf