中堅技術者の養成は重要課題だが……。

途上国では共通して見られる現象だと思います。その国を、今後発展させるためには、最先端技術者の養成ではなく、現段階では中堅技術者を育てなければならないと思われることがよくあります。

あまりに高度な最先端技術を留学先で学んでも、帰国したら、それを役立てる場がなく、結局、留学先に残って就職するか、あるいは、帰国して、留学先で学んだことは忘れるか、といった選択を迫られることも少なくないのです。

途上国で最も求められているのは中堅技術者であることが多く、その養成は、国内で行わないと、海外留学では、対象人数が多く、経費がかかり過ぎるという問題が生じます。

私の知っているある途上国の教育者は、それでも日本の専門学校での教育に期待をかけています。彼なりの強い信念でそう考えていて、あまり何度も議論をしても無駄なので、最近は、いつも彼の意見を聞き流すだけなのですが、自国に中堅技術者を養成する専門学校や職業訓練校をつくることにそのエネルギーと経費を使うべきではないかと私は考えています。

あるいは、先行している国から、そうした中堅技術者養成のノウハウを輸入してもいいのではないかと思います。日本の専門学校などが、得意とするところではないでしょうか。

ついでながら、日本の高度成長時代を支えた技術者などの仕事ぶりを知ってもらうためには、かつてNHKで人気だった「プロジェクトX*1は、すでに数十か国で放映されたということですが、さらに途上国向けに吹き替えて放映するのも良いアイディアだと常に思います。

いずれにしても、中堅技術者の養成は、高いコストをかけるには向いていなくても、各国内で大きな需要があることの一つなのです。

  • おことわり:明21日から27日までベトナムに出張しますので、スケジュールやネット環境により、必ずしも頻繁に更新できるかどうか分かりませんが、悪しからずご了解ください。まずは、台風で飛行機が飛ぶものやら、不安ですが……。