英国に9万人超−中国の海外留学熱は引き続き上昇だが……

このところ喧しい英国にも中国からの留学生は9万人以上留学中だと、香港の「文匯網」が伝えています。*1

それによれば、駐中国英国大使館は、今年、中国人留学生の英国留学の査証申請件数は、昨年比約20%増加し、9万人を超えると発表していて、また、英国に限らず、主要な留学先への査証申請件数が2割以上伸びているとのことです。

すでに、ここにも何度か記している米国のIIEの2011年のレポートでも、2010年の中国から米国への留学生数は、12万7628人で、前年より30%の激増ぶりです。これで、インドを超えて中国が米国への最大の留学生送り出し国になったということです。

近年、米国の大学の学費が値上がりしていますが、それでも、中国からの米国留学への情熱は高まっていて、中国出身の学生は米国の大学院・学部に在籍する留学生の18.5%に達しています。

また、駐中国カナダ大使館の統計データも同様に、今年上半期までに大使館が受け付けた留学査証の申請件数は昨年同期比で25%増となっていますが、ただ、留学査証の発給率は低下しているということです。

今年、英国政府は留学生政策を見直し、5年内に留学査証の発給を26万に減らすことを発表しました。この3月には、さらに一連の縮小政策を公表し、すべての留学生に英語試験を求め、EU以外の学生の査証の割り当て数を削ることとしました。

もちろん、日本でもそうですが、英語圏でも、英国に限らず、米加豪などの近年の中国人留学生の増加率はたいへん大きなものであり、キャンパスのどこを見ても中国人留学生がいるといった感じです。ただ、欧州各国での「多文化政策の失敗」宣言に象徴されるような、欧米の右傾化傾向は、中国のみならず、アジアからの留学生の流入にも確実に影を落としていくに違いありません。

*1:「中國留學熱持續升溫 在英中國學生突破9萬人」(2011年7月29日 文匯網) http://info.wenweipo.com/index.php?action-viewnews-itemid-47327