豪政府による被災地学生支援プログラムの創設、さらに米加英も。

豪政府のプログラム

文科省は、昨25日、「豪州首相日本対象教育支援プログラム」の公募を発表しました。*1

それによると、震災被災地の今後の教育の進展に貢献すべく、当該地域の学生等を対象とする教育交流支援プログラムを創設するとのことで、文科省・豪政府・(財)日本国際教育支援協会の3者間で、プログラム実施の協定が締結されたことなどを踏まえ、プログラムの公募が開始されることとなったということです。

豪政府は、震災に対応して、豪州と日本の被災地間の2方向の短期教育交流のために、奨学資金を提供。交流期間を通して当該国で生活する旅費、宿泊費、授業料、交流関連費に対する奨学資金を援助することとなっています。 

日本の被災地の学生などには、勉学のために一定期間豪州に滞在する新たな機会を提供し、いっぽう、豪州の学生、学者、研究者、専門家には、勉学などのため日本の被災地に赴く機会を提供することとなっています。

このプログラムへの採用人数は、最大100名で、奨学金額の合計は約50万豪ドル(日本からの派遣と受入者の合計額。割合は未定。各参加者には約5,000豪ドルを想定)。

日本からの学生等派遣プログラムは、期間2011年8月〜平2012年12月31日。応募方法は、学生などは在籍大学に申請し、在籍大学長等からの機関申請が必要です。対象地域は、災害救助法適用地域内の大学、短期大学、高専など。(青森県岩手県宮城県福島県茨城県、栃木県、千葉県、東京都)

詳細については、(財)日本国際教育支援協会のサイトを参照のこと。*2

米国

海外からの被災地の日本人留学生への支援としては、米IIEが3月末に、震災で家族などが被災し、仕送りを受けられなくなった、すでに米国の大学に[在学している日本人留学生を対象に、5000米ドルを上限とした奨学金を緊急支給すると発表し、4月には締め切っています。

カナダ

また、カナダ政府は、7月22日に"Hope for Youth-カナダ留学 ホープ・プロジェクト"を発表しています。これは、震災復興支援を目的とした留学プロジェクト基金として、カナダ大使館と㈱サマンサ・タバサ・ジャパン・リミテッドが共同で設立したもので、被災地の若者に、カナダ留学を通して新しいものや人に出会い、将来に大きな希望を持ってもらい、グローバルな視野を身につけ、将来の国の発展につながる人財になってもらいたいと企画されたものです。計150人に往復航空券と語学研修(2週間〜)、滞在(ホームステイまたは寮)、旅行保険を提供するものです。応募締切は、8月31日、12月31日、2012年3月31日の3回、留学期間も2週間、4週間、8週間など選べるようになっています。*3

英国

さらに、英国留学者対象としては、大和日英基金がブリティッシュ・カウンシルと提携し、被災地の学生支援のため、25万ポンドの奨学基金を設立し、英国の教育機関で一定期間学ぶことを希望する高卒以上の被災者を対象としています。すでに英国留学中の人も含みます。締め切りは、8月31日となっています。*4

こうした各国のための被災者の留学支援プログラムの動きは、迅速で、該当者には有り難いものだと思います。(追加情報がコメントにあります。)

*1:「豪州首相日本対象教育支援プログラム」公募開始について http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/08/1309102.htm

*2:「教育交流支援プログラム(震災復興支援)奨学金のご案内」http://www.jees.or.jp/sc-scholarship/australian_gv-sc_2011.htm

*3:「Hope for Youth/Espoir pour la jeunesse カナダ留学 ホープ・プロジェクト」 http://www.canadainternational.gc.ca/japan-japon/study-etudie/hope-espoir.aspx?lang=jpn

*4:「大和日英基金東北スコラーシップ(ブリティッシュ・カウンシル提携)」http://www.educationuk.org/Japan/Article/JP1262436029132