政権や首相が替わっても変えてはならないもの

間もなく日本の新しい「リーダー」が選ばれようとしています。選ぶのは国民ではなく民主党議員たちです。

極めて短期間で、さまざまな政策論議が十分になされたとも思えないし、自民党政権時代と何ら変わらない首相の選びかたと言えます。こうした手続きで、過去5年に日本の首相は6人交替しています。国際的には、まったく信頼は得られないでしょうね……。

日本では、なぜ、このようなリーダーの選び方しかできないのか、はなはだ疑問に思います。

ともかくも、新たなリーダーが生まれるのですが、今は、震災復興と原発の扱いをどうするかが、最優先の課題です。もちろん、景気対策も重要ですが、政治家が増税を口にできない状況というのも、目先のことばかりに振り回される日本人社会の未成熟さが災いしているのでしょうか。私たちの次の世代にツケを回し続けていき、いったい、この先、どうしようというのでしょうか。

それはそれとして悩ましい問題ですが、政権が替わろうと、首相が新しい人になろうと変えてほしくないものがあります。挙げればいつくもありますが、やはり国際教育交流政策は変えてほしくありません。

自民党政権時代の最後のほうに打ち出された「留学生30万人計画」は、辛うじて廃止はされていませんが、民主党政権になったからは、あまり力が入っているようには思えません。来年度の概算求案でも、一律10%減の枠内に入るようです。

もちろん、「3.11」という未曽有の災害と原発事故の後ですから、予算増というわけにはいかないでしょうけれど、少なくとも海外広報を積極化して、日本への留学生が極端に減少するということのないように努めるべきだと考えています。

なぜなら、国際教育交流の振興は、人づくりへの支援であると同時に、日本の安全保障策でもあるからです。

政権が交替するごとに、クルクルと方針が変わるようなものであってはならないのです。どの党が政権を取ろうと、誰が首相になろうと、容易には変わらずに、安定して国際教育交流の振興策を進めていけるなら、いずれ日本は、各国から、より信頼される国になるに違いありません。