決め手は、やはり「クール・ジャパン」だ!

国際教育交流をさらに振興するためには、もっと総合的な戦略が必要だということは、口を酸っぱくして(キーボードの場合、「腱鞘炎になるほどに」でしょうか?)述べてきましたが、それには、いくつかのアプローチが考えられます。

ここでは、主に日本語教育や留学生受け入れといった、インバウンドについて取り上げます。

まず、政府の施策としては、省庁縦割りをきっぱりとやめて、早急にワンストップの窓口を国内にも海外にも作らなければなりません。

つぎに、民と官との、あるいは、公と私とのセクターの縦割りの壁も大胆に突き壊して、グローバル化に対応した切り口で対応しなければなりません。

そして、海外の人たち、とりわけ、次代を担う若い人たちが日本への関心を持ってくれるような仕掛けをつくっていかなければならないのです。

なぜ、明治時代と大して違わない発想で今日の海外との関わりを考えられるのか、どうしても理解できないのですが、もしかすると、変わることが怖くて、これまで通りやっているだけに過ぎないのではないかとも思います。しかし、変わらなければ、それだけ日本の存在感は世界で次第に薄くなり、いずれどこからも相手にされなくなっていくことは明らかです。もし、鎖国してやっていけるだけの資源が日本にあれば、それも一つの選択肢でしょうが、それは決してあり得ないことは議論を要しないでしょう。

では、どうすればいいのか。

その一つの考えかたとして、経産省の提唱する「クール・ジャパン」は、かなり重要なコンセプトだと言えます。もちろん、経産省の視点ですから、産業の振興をその主な対象とするわけで、日本の文化産業の振興について脚光を当てています。

当然、日本語教育や留学生教育には、中央官庁では文科省文化庁が直接関わっていますから、経産省の構想にはほとんど出てはきませんが、じつは、この分野にも「クール・ジャパン」は密接に関わっているのです。

経産省は、昨年、「クールジャパン室」を開設し、その室長補佐には、高木美香さんという日米の大学で勉強した30歳そこそこの元気な女性が就任し、新風を吹き込んでいます。

こうした若いパワーを大切な役回りに起用した経産省を賞賛すべきですが、他の省庁の改善が求められているとも言えます。

そして、「クール・ジャパン」をどのように国際教育交流に適用していくべきか、今後とも折に触れて考えていきたいと思います。