ベトナムの日本語学習者たち

丸10日間、ブログを休載してしまいました。

今回は、ホーチミン、ニャチャン、ハノイベトナムを北上し、大学関係の方々や元日本留学生たちにお目にかかったり、途中、ニャチャンでノンビリしたりでしたが、最終日にハノイハノイ大学の日本語専攻の3人の学生とお会いできたことは、さまざまなことを考えさせられました。

このブログにすでに何回か記しているように、ベトナム最大の民間日本語学校であるドンズー日本語学校の学生数がこの5年間で5,000人から2,000人に激減してしまったという例との相似形があり、ハノイでも、今日では日本語よりも韓国語、中国語が脚光を浴びているようです。

街を歩けば、韓国企業の看板、韓国製の車、テレビはと見れば、韓国製品で、映っているのは韓流ドラマですから、当然かも知れません。

ツイッターで知り合ったハノイの「のぞみ日本語センター」*1という、主に日本語・ベトナム語の翻訳を中心に事業展開している会社でアルバイトをしているハノイ大学の日本語学部の4年生の女子学生たちにお会いして話す機会があり、いろいろなことを話しました。

日本語に関心を持ったきっかけは、一人の学生はテレビの「おしん」だったと言いました。

う〜ん、「おしん」ですか……。たしかに、ベトナムでは、韓国や中国のテレビ・ドラマをごく日常的に、あるいは食傷気味に見られるのとは違い、日本のテレビ・ドラマを毎日目にするということもないですからね……。もちろん、これは別に必要ありませんが、コスプレのようなサブ・カルチャーにも縁はないそうです。

「就活」の話になったとき、3人の学生は、その言葉も、その意味合いも、まったく知りませんでした。ましてや、「婚活」などという言葉も知りません。

彼女たちは、今度、日本語能力試験N1を受験する予定の日本語能力自体はたいへんに優秀な人たちです。普通に話していても、とくに理解できないことがあるわけではなく、要するに、今日の日本の情報、知識に触れる機会が少ないということなのです。

せっかく、日本や日本語が好きで、また優秀な能力を具えている有能な若い人たちに、今日的な情報が行き渡っていない現状に接して、どうするべきか、考えさせられてしまいました。

あの若くて優秀な日本語専攻の学生たちの夢を打ち砕かないように、また、能力を十分に発揮できるように環境を整えなければならないと痛感しました。

*1:Anh Sao人材開発会社(Anh Sao co.,ltd)/のぞみ日本語センター http://www.anhsao.org/