中国と日本の国際教育交流政策の実施のスピードの差

今日の中国国際放送のウェブ版によると、中国の劉延東国務委員は昨日、「中国は絶えず民間教育の国際交流と協力を深め、外交政策の大局に立って教育改革の促進に取り組む」と北京で強調したとのことです。

また、「ここ30年、民間教育を巡る国際交流は中国の教育と世界の教育をつなげる重要な手段となっており、同時に、中国と世界の相互理解、信頼、友好を深め、中国のイメージアップにもつながる舞台である。また、中国の教育レベルを高め、国のソフトパワーを強化し、中華文化の影響力の拡大に当たっても大きく貢献している」とも述べたとのこと。

さらに、「中国は様々な形式を通じて教師と学生の交流を深め、人文交流の拡大と深化に努める」とも述べています。そして、「資源の共有を拡大し、教育の連携を築き、科学共同研究などして、中国と外国の教育促進を目指す」ということです。*1

中国の国務委員といえば、部長(日本の大臣)より上の地位の、副総理に次ぐ政府のポストを占める人ですから、こうした人物がこのようなことを言うのは、回転ドア首相の一人、福田康夫首相が、かつて「留学生30万人計画」を発表したよりは実行力が伴う気がします。

何よりも、「外交政策の大局に立って」「国際交流は中国の教育と世界の教育をつなげる重要な手段」「中国と世界の相互理解、信頼、友好を深め、中国のイメージアップにもつながる舞台」「中国の教育レベルを高め、国のソフトパワーを強化」「中華文化の影響力の拡大に貢献している」といった、国際教育交流のポイントをきちんと捉えている発言は、日本の政治家や高級官僚には見られない点です。

そして、中国や韓国はトップダウンで政策が実施されやすい国ですから、日本のように政策実施までの時間がやたらと長くかかり、そのうちにウヤムヤになってしまうこともありがちな国は、中韓とはその政策実施のスピードでは完全に負けてしまっています。

ただ、日本では、現在の中川文科相は高卒後、渡米してジョージタウン大学国際関係学科を出ていますし、以前、昼食を共にしてお話をして分かったのですが、留学生受け入れについても造詣が深いので、原発の担当でもありたいへんに多忙なのですが、ぜひ国際教育交流についても力を発揮してもらえたらと、大いに期待します。

*1:中国の民間教育、国際交流を強化 (20111年9月29日 中国国際放送HP)http://japanese.cri.cn/881/2011/09/29/141s181065.htm