ベトナムからの看護師・介護福祉士候補者の受け入れ

日本政府は4月17日、EPA経済連携協定)に基づき、従来、フィリピンとインドネシアから受け入れてきた看護師と介護福祉士の候補者をベトナムからも受け入れることを決定しました。*1

インドネシアとフィリピンからの看護師候補者の国家試験の合格率が、言葉の問題などで芳しくなかったこともあり、入国時に日本語能力試験N3以上の認定の取得を求めことに決まりました。事前にベトナムで1年間の日本語研修を行い、順調にいけば来年、最初の候補者が来日予定とのことです。来日して、2〜3か月は、日本語や日本の社会・文化などの研修を行うことになります。N2に合格している場合は、日本語研修は免除になります。
看護師候補者になるには、ベトナムで3年制か4年制の看護課程を修了し、看護師としての2年間の実務経験と、看護師国家資格の取得を求めています。日本での滞在期間は他の国の候補者同様、最長3年で、3回まで国家試験を受験できます。

介護福祉士候補者も、ベトナムでの看護課程の修了を条件とし、日本の介護施設で3年間就業してから国家試験を1回受験できることになっています。他に、就労しないで、2年制以上の養成校を卒業して国家試験を受ける「就学コース」も設けられます。

じつは、日本は、タイとインドともこの制度による看護師・介護福祉士の日本での研修と日本の国家資格取得、就労を検討しています。

欧州同様、日本でも少子高齢化と就労人口の減により、外国人労働力をどう入れていくかが、深刻な問題となっていますが、看護師・介護福祉士は、一つのテスト・ケースとして、今後の日本の外国人労働者受け入れの課題の方向性を考えるきっかけとなり得るでしょう。

*1:来日前の日本語研修支援 政府、ベトナム看護師対象に http://www.asahi.com/health/news/TKY201204170749.html