2011-01-01から1年間の記事一覧

「クール・ジャパン」の応用問題−2900億円産業をさらに育てるには−3/4

さて、経産省の「クールジャパン」構想に沿って見てきましたが、それについてこれ以上詳しくは、9月10日の脚注の資料を見て考えていただくとして、ただ、経産省の構想があまりにもポイントを突いているので、どうしてもそれが気になるのですが、一応それを離…

「クール・ジャパン」の応用問題−2900億円産業をさらに育てるには−2/4

昨日の続きです。「クールジャパン」のコンセプトで日本留学を考えると、どうなるかを検討中です。昨日、ショートカットを付けた経産省の資料では、日本のこれまでの文化産業の問題点は、「全体コンセプト」が曖昧、「分野間連携」が不足、「ビジョンと実行…

「クール・ジャパン」の応用問題−2900億円産業をさらに育てるには−1/4

じつは、経産省の掲げる「クールジャパン」の国際教育交流への応用問題は、すでに、このブログにも頻繁に出てきています。それらとも重複しますが、もし、「クールジャパン」構想を国際教育交流へと応用するといすれば、どのようなことが考えられるかを、こ…

「文化産業立国」の構想

昨日は、経産省の「クールジャパン」構想がなぜ必要になったのか、その背景をごく簡単に記しました。経産省の計算によれば、日本の文化産業は、(食、観光が含まれていないもの。製造業として、家具・繊維・アパレル・皮革製品・食器・玩具・ジュエリー・工…

「クールジャパン」の必要性の背景

経産省が、なぜ、昨年、「クールジャパン」を提唱したのか、なぜ、この時期に、それが必要だったのか、その背景について考えてみましょう。これまで、日本の産業として海外で評価され、また、外貨獲得に貢献してきたのは、自動車、エレクトロニクスなどの分…

「クールジャパン」とは何か?

「クール・ジャパン」の名称だけが独り歩きをしてしまい、勝手にさまざまな解釈がされている傾向があるので、昨年、経産省が提示した「クールジャパン」について何回かに分けて整理して確認しておきたいと思います。(細かいことで恐縮ですが、経産省は「・…

「国とその文化は完全に区別されているようだ。」

昨日、「クール・ジャパン」について少し書きました。今日のあるメルマガで、北京外国語大学日本語学部講師で、現在、大東文化大学訪問研究員である宋剛さんが、次のように記しています。 中華料理はすでに日本の社会に定着している。ところが、中国が好きだ…

決め手は、やはり「クール・ジャパン」だ!

国際教育交流をさらに振興するためには、もっと総合的な戦略が必要だということは、口を酸っぱくして(キーボードの場合、「腱鞘炎になるほどに」でしょうか?)述べてきましたが、それには、いくつかのアプローチが考えられます。ここでは、主に日本語教育…

フィリピンへの英語留学がひそかな人気

語学留学に関しての話ですが、最近、フィリピンがひそかに脚光を浴びているようです。小学校から英語で授業が行われていて、街でも英語が通じやすいし、公用語にはフィリピン語に加えて英語も入っているというのが、英語留学にフィリピンを選ぶ理由でしょう…

留学生は、どれだけ日本に残り就職するのだろうか?

震災後、多くの留学生が一時的に帰国してしまい、戻って来るか心配させられましたが、ほとんどは日本の大学や学校に戻ったようです。学業途中だったのならば、ともかく卒業・修了までは、という気持ちがあったのは事実でしょう。では、卒業・修了後の就職に…

「クール・ジャパン」と観光客・留学生受け入れのための広報の強化

野田新内閣の組閣も終わり、再び震災復興へも動き出すときが来たようです。このブログでも何度か書いてきたように、震災復興にからめて、その復興を早めるためにも、これまでの日本の対外広報も、より強化する必要があるのと、世界の若者に現実に日本に触れ…

有り難うございます。カウンターが1万を超えました。

4月8日から開始した、このブログですが、気がつけば、カウンターが昨日で1万を超えていました。当初、書けるときだけ、ボチボチと書いていこうと思っていたのですが、ふたを開けてみると、たまに休むこともありますが、ほとんど毎日、よく飽きもせず書いてい…

海外留学志向が回復の兆し?

昨日の産経ニュースによると、若者に留学志向が回復の兆しを見せているそうです。*1記事によれば、今年に入り海外留学の説明会参加者やエージェントへの相談者が1〜3月期には昨年比2〜3割増のエージェントもあり、就職難と企業のグローバル化の加速が学生の…

在住外国人と非常時の支援態勢

1923年9月1日の関東大震災当日夜から始まった「朝鮮人狩り」と比べると、さすがに今昔の感がありますが、近年では在住外国人も日本人と同じ地域住民であるという考え方が、ようやっとのことで一般化しつつあるように思います。とくに今年は、3.11があり、外…

留学生のトラブルを防止するのに必要なことは

日本の華字紙「日本新華僑報」は、先週、8月26日に在日中国人留学生の犯罪の増加傾向につき報じました。まず、熊本市のコンビニ強盗事件で中国人留学生が警察に追われている、宮城県警が検挙した窃盗グループに中国人留学生もいた、中国人女子留学生が性感マ…

外国人労働者70万人-韓国

今日の韓国中央日報は、韓国の外国人労働者数が71万人を超えたと報道しています。*1同記事には、自国のバングラデシュでは仕事がなかった3年目の単純機能工として働いて3年目の人が、月160万ウォン(約11万5000円)ほど稼いでいると紹介され、その工場の韓国人…

政権や首相が替わっても変えてはならないもの

間もなく日本の新しい「リーダー」が選ばれようとしています。選ぶのは国民ではなく民主党議員たちです。極めて短期間で、さまざまな政策論議が十分になされたとも思えないし、自民党政権時代と何ら変わらない首相の選びかたと言えます。こうした手続きで、…

「留学生の誘致にしがみついている」

一昨日、8月26日の韓国の中央日報によると、昨年、忠清南道にある青雲大学校(4年制私学)に通った外国人留学生は310人の年間授業料は440万ウォン(約34万円)あまりで、1人当たりの奨学金平均額が340万ウォン(約26万円)だったとのこと。つまり、留学生が…

就活と美容整形ブーム-中国

以前、ソウルに行くと言う私に、男の韓国人留学生が助言をしてくれました。「韓国に行くと可愛い子がおおぜいいるけれど、90%は整形だから、騙されないように注意して下さいね。」「だったら、君たちだって注意しないといけないでしょう? もし、気に入った…

豪政府による被災地学生支援プログラムの創設、さらに米加英も。

豪政府のプログラム文科省は、昨25日、「豪州首相日本対象教育支援プログラム」の公募を発表しました。*1それによると、震災被災地の今後の教育の進展に貢献すべく、当該地域の学生等を対象とする教育交流支援プログラムを創設するとのことで、文科省・豪政府…

日本語学校による東電への賠償請求

政府の原子力損害賠償紛争審査会が8月5日に賠償のガイドラインとも言うべき「中間指針」をまとめました。*1これを受けて東京電力が賠償請求の受け付けを始める予定です。原子力損害賠償法では、被害者には損害賠償を請求する権利があることが明記されていま…

秋入学は日本の大学を救うのか?-(2)

昨日の続きです。日本への留学生受け入れについて見ると、大学が秋入学に移行しても、大きな効果は見込めないだろうというのが、昨日の結論でした。では、日本人学生の海外留学についは、どうなるでしょうか。この数年、日本人の海外留学が減っていることを…

秋入学は日本の大学を救うのか?-(1)

先に結論から書いてしまうと、残念ながら、日本の大学が秋入学に移行することと大学の国際化とは、あまり直接の関係はないだろうということです。去る7月1日にマスメディアは一斉に東大が秋入学を検討し始める、という報を流しました。*1 どの報道を見ても、…

◆◆◆ 引用等についてのお願い。◆◆◆

いつもKeishu48の拙いブログをお読みくださり有り難うございます。最近、このブログからの無断借用の文章を散見するようになりました。引用、パーマリンク、トラックバックは基本的に歓迎いたしますが、剽窃は困ります。引用の際は、出典を明らかにしてくだ…

関西の柔軟さとパワーは東南アジアに通じる?

2年間、神戸に単身赴任していたことがありました。ほんの3〜4年前のことです。単身赴任は不便だし余計な出費もかかるものですが、場所が好きな神戸だったもので、隔週末には東京に戻ることにし、2年なら何とか我慢ができました。仕事は京阪神の仕事すべてを…

シンガポールのカレー騒動−多文化・多民族共生の難しさ

ことの発端は、去る8月8日のシンガポールの「トゥデイ」紙の記事でした。シンガポールには「調停センター」という地域住民のトラブルを調停するボランティア機関があるのですが、そこに持ち込まれたケースが紹介されたのです。記事によれば、中国からシンガ…

頭脳と資産の流出対策が本格化へ−中国

このところの中国関係の報道を総合すると、中国で 一定程度の経済力を持った人は海外への移住を求め、また、中国政府は海外に出た人を呼び戻そうとして本格的に動き出しているようです。行ったきり7割が戻らず中国から海外に留学した人たちの多くは帰国せず…

日本語学校10月期申請3割減 惨状からの脱却をどう図るか?

(財)日本語教育振興協会の中間報告でも、すでに趨勢は明らかでしたが、8月17日に発表された今年10月期生の入管への申請件数を見ると、国・地域別では上位5か国・地域のうち、ベトナムと台湾を除き、昨年同期比で24〜55%減となっていて、多くの日本語学校は、…

豪州への留学生数の減少傾向の原因とは?

豪州で留学生の明らかな減少傾向が見られます。このほど、豪政府が発表した"Student visa program trends 2004-05 to 2010-11"*1によると、2009-10年度から2010-11年度では学生ビザの申請件数が5.1%減少しました。また、2010-11年度の海外からの学生ビザ申請…

韓国の留学生制限は他人事ではないはず。

2004年から昨年までの6年間で外国人留学生数が約5倍という目覚ましい増加を見せている韓国ですが、昨16日の朝鮮日報の報道は読んでいて、決して他人事とは思えない内容でした。韓国の某私学は、学生の募集が困難になるとすぐに、留学エージェントを通じて中…